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BtoB企業にもブランディングが必要なの?にお答えします。

BtoB企業におけるブランディングの方法と事例

あなたは、BtoBブランディングに興味をお持ちかもしれません。ブランディングは、BtoC企業のためのものであり、BtoB企業には該当しないと思われている方も多いのは事実でしょう。確かにBtoB企業は、BtoC企業と比較してもブランディングという意識は低いのが現状です。

BtoB企業の方とお話していると、ブランディングは必要なく営業強化をもっとすべきであると考えたり、自社の技術が高まれば商品が売れるというプロダクトアウト的発想だったりと、なかなか古い考え方や慣習から抜け出せていないと感じることがあります。また意思決定に時間がかかったり、ブランディングについて上司を説得するだけの情報を持っていなかったりすることで、結果的にブランディングが前進しません。ところがBtoBであっても多くの企業が、例えばマイクロソフト、IBM、GE、アクセンチュア、インテル、オラクル、ファーウェイ、J.P.Morgan、Adobeなど、多くのBtoB企業がブランディングに成功しているので、あなたにもできると信じて欲しいと思います。

世界のBtoBビジネスランキング

BtoBブランディング

ところが、日本企業は、世界で活躍している会社も多いのに、なかなか世界で評価されていないことは、とても残念ですし、当社が少しでも貢献しなければならないという思いが強くあります。BtoBビジネスに取り組んでいる皆さんには、どうぞ積極的にブランディングに取り組んでいただきたいと思います。

ブランド価値が高い海外のBtoB企業は、技術力、商品力だけではなく、コミュニケーション力が違います。顧客創造や顧客開拓は営業だけの一部門の仕事ではなく、全社的なブランドとして取り組んでいくべきだと考えます。私も大きなBtoB企業と仕事をさせてもらっている中で感じることは、見えていない課題であるために問題意識に育っていないというのが現状です。

確かにブランドが無くても商売がうまく行っていることは多いと思います。しかし、経営というものは、売上や利益が上がっていればいいのではなく、多くの経営課題と表裏一体であるものなので、ブランディングという視点を持つことでさらに良い経営に高めることができるということをお伝えしたいと思います。

日本のBtoBブランディング

日本の企業はあまりBtoBのブランディングが得意ではありません。いいものを作っておけば商売につながると、あまりで「しゃばった」行動を取らないように感じます。しかし、ブランドということになるとその奥ゆかしさは必要ありません。あなたがBtoBブランディングの必要性があると理解していたも、組織をBtoBブランディングに巻き込んでいく努力が求められます。このBtoBブランディングのページでは、BtoBブランディングの重要性や必要性、BtoBビジネスの外部環境などを掘り下げていきます。そして、BtoBブランディングが企業にもたらすメリットや効果をお伝えしながら、BtoBブランディングへの理解を深め、社内のコンセンサスを取っていただきたいと思います。ぜひBtoBブランディングのインパクトを体験していただくためにも、プロジェクトのリーダーとして取り組んでいただきたいと思います。

BtoBブランディングが必要とされる理由

BtoBブランディングが必要とされる理由1:新規顧客拡大

ステージが日本においても、海外においても、あなたの企業がクライアント企業から選ばれるためには、信用の積み重ねが必要です。信用を得るためには、クライアント企業にあなたのブランドが明瞭に伝わり理解されていなければなりません。ブランドは大手企業のものと思う方も多いかもしれませんが、そうではなく、小さな会社でもしっかり顧客から支持されているところは多数存在します。その支持されている理由はなんでしょうか?

新規取引先から受注が取れている理由の中には、ブランドに何かしらの印象を持っていて商品が購入されています。しかし、その手前でブランドが認識されず、認知されないということも非常に多いと考えられます。市場のシェアが5%以下の場合、事業が成長する要因の92%は市場浸透率が原因とされています。そのためブランドが広く知られれば知られるほど、新規顧客拡大に繋がるのです。また裏を返せば、知られなければ知られないほど新規顧客拡大には繋がらないということです。

BtoBブランディングが必要とされる理由2:価格競争からの脱却

あなたの会社と新規取引をしたいと言われた場合、顧客は他社との比較だったり、他の商品もリサーチしているはずです。そこで、コンペや相見積もりという形式になったとします。そのときに、あなたの会社はどのような選択をするでしょうか?金額を落とす努力は当然考えられます。しかし、その努力も限界があり、大手が数の原理で更に価格を抑えることは当然考えられます。そこでその対策として、あなたは物品というモノではなく、ソリューションを提供する選択をしなければなりません。

上位レベルの提案となれば、顧客は想定以上の提案に対して、あなたの会社の実力や実績といったものをリサーチしだすでしょう。そのときに確固たる強いブランドが存在していれば、選ばれる可能性はぐっと高まります。競争から抜け出すためには、BtoBビジネスにおいても強いブランドが必要だということがご理解いただけると思います。

BtoBブランディングが必要とされる理由3:人材確保の必要性

BtoBブランディングに関心を持つ方々は、人材を獲得することに課題があるケースがあります。BtoCビジネスとは違い、一般の方に社名が知られる機会が少ないため、人材を獲得するにもブランドが浸透していない場合があります。そのため、就職したいと考える人々に社名が通っていないというのが現状ではないでしょうか?中小零細企業においては、このことが顕著かもしれません。人材難であるがために、従業員の高齢化が進んでしまい、技術の継承が出来なくなることがあり、経営が継続できなくなることも昨今では珍しいことでは有りません。BtoBブランディングに期待される方で、人材へのブランド力の向上を目指されている方も多い理由はここにあります。

BtoBブランディングとは?

当社では、「ブランディングとは、企業/商品/サービスに対して、購買者/非購買者が持っている心象を醸造させ、それらに感情移入を引き起こし、愛着心を高めてもらうための活動のこと」と定義しています。

しっかりと立脚点を定義しておきながら、BtoBブランディングについて話を進めていきたいと思います。BtoBブランディングについても同様に定義することが出来ます。取引先や潜在顧客、そして求職者に対して、あなたの会社は期待されていますか?新規顧客獲得のためのカギは、どれだけあなたの会社に対して期待を寄せることができるかにかかっています。価格競争からの脱却を目指したソリューション提供においても同様です。BtoBブランディングとは、さまざまなステークホルダーに対して期待や憧れというポジティブな感情を創り上げることです。大事なことは、BtoBブランディングによって、信頼や期待のレベルを高めていくことにほかなりません。

BtoBブランディングによるブランディングのステップ

続いては、BtoBブランディングの効果について、つまりクライアント企業の状況に即してどのようなBtoBブランディングが求められるかを考えていきます。

BtoBブランディングによるブランディングのステップ:1、クライアント企業が課題を認識する

この段階においては、クライアント企業が自社の課題を認識することから始まります。解決すべきこととして、どの企業が最適解導くために相談に乗ってくれるかを検討します。
ここでは、複数の企業に対して相談する段階であり、過去の関わりと認知度がなければリストに入ることがなく、競合他社に負けてしまいます。

BtoBブランディングによるブランディングのステップ:2、クライアント企業が解決方法を検討する

次の段階は、解決方法の情報収集です。この段階で、チームとして加わることができれば、かなりの信頼関係が出来ているということです。しかし、この段階ではアイデアレベルであることが多く、解決策の具体性は見えていません。そのため、できるだけ様々な顧客接点においてあなたのブランドを伝えておく必要があります。つまり、イベントやセミナー、個別のプレゼンテーション、販促ツールなどの機会をどれだけ増やせるかが大事になります。また折衝時にクライアントの課題の解決方法を提示するための準備は行っておくべきでしょう。

BtoBブランディングによるブランディングのステップ:3、解決方法の提案を行う

次に重要となるのは、あなたの会社が提案の機会を獲得できるかどうかです。クライアント企業は、あなたの会社に何かしらの期待を持っているかどうか、それは同業他社よりも強く明確なものかどうか、を判断してきました。あなたから提案を受けたい、という期待をどれだけ醸成してきたかが採否を決めることでしょう。素性の知れない会社ではなく、クライアントの意図を汲んで最適解を提案してくれる企業であるという印象を持ってもらわなければなりません。

BtoBブランディングによるブランディングのステップ:4、提案内容及び事業者選定の可否

あなたの取引先が行政などの公的な組織であれば、選定基準が明確になっており、それにしたがって可否が決まることが多いです。もし取引先が民間企業であれば、提案内容や費用対効果というものが各部門の担当者間で決まります。そのため、どれだけ期待を得ることが出来たかが大切になります。取引先の立場で考えると、ブランドのない企業と業界でのブランドがある企業では、当然後者を社内の稟議に上げるほうが担当者は気が楽でしょう。

BtoBブランディングによるブランディングのステップ:5、稟議と決裁

あなたが何をどれくらい販売しているかによって、つまり、どんな商品をどれくらいの量販売しているかによって、決裁者が異なります。BtoBビジネスの場合、規模の大きな取引になるほど、決裁者はきちっと実力やブランドを見極めなければならないため、あなたのブランドが判断されるため、知名度や期待値が高い企業を選択することになります。

BtoBブランディングの3つのブランド戦略と事例

さて、BtoBブランドをすこし分解して考えてみたいと思います。BtoBブランディングには、いくつかの手法が存在します。

・コーポレートブランディング
・ソリューションブランディング
・技術ブランディング

です。

BtoBブランディングの3つのブランド戦略:1、コーポレートブランディング

コーポレートブランディングは、ステークホルダーから企業自身への評価を高めることを目指すものです。あなたの会社が世の中にミッションを掲げ、どのように実践していくか人々は期待しています。当社では、コーポレートブランディング(企業ブランディング)とは、「企業の理念体系を明文化し、会社としての姿勢と行動を明確に示すことで、ステークホルダーから共感を得てファンにするための活動である。」と定義しています。昨今は、企業はかつてないほどに社会性を求められています。企業の価値が数字的な計測だけではなく、SDGsやESG投資、CSV経営など、その考え方や姿勢が問われていることも裂けては通れません。

BtoBブランディングにおけるコーポレートブランディング事例:オムニモスーク

手前味噌のお話になり、恐縮ですが、当社のことを少し事例にお話できればと思います。当社は、まさにBtoBブランディングを行っています。昨今では、デジタルシフトの時代と言われ、あらゆる企業が変革の最中にいます。当社は、BtoBブランディングといっても、新規事業開発から始まり、経営戦略、マーケティング戦略、コミュニケーション戦略といったあらゆるステージでのブランディング関わっています。しかし、このコロナ禍(2020年6月現在)において、デジタルシフトは更に加速し、このタイミングに合わせて新たなビジネスが台頭しています。

当社においては、クライアント企業とともに新規事業開発を立ち上げ支援を行っています。それらはオフラインでのサービスが困難になった顧客が、テクノロジーを活用して新たなビジネスモデルの立ち上げを行うといったことなどです。これらの取り組みは、すでに起きている社会課題、ここでは人が集まることが出来ないことによる、集客が実現不可能というなかで、どう取り組んでいくか答えを出す責任のある仕事だと感じています。

BtoBブランディングにおけるコーポレートブランディングとは、まさに会社としての考え方や取り組みが、取引先にどのような印象を与えるかをデザインしなければなりません。この時代、大量に投資をして企業の株価を上げるなどといった会社は、スマートな経営とは言い難いと私は考えます。たしかに私なんかより尊敬されている経営者ばかりだと思いますが、トップの考え方1つ、また同時に、従業員の行動の1つで企業のブランドは180度異なってしまいます。

今求められていることは社会的な価値の創出です。ビジネスを成功させるのは、つまり売上や利益を高めることは当然という考え方の更にその先に、どのような社会を作るかという崇高なるミッションとビジョンが企業の中核概念として必要だと思います。

BtoBブランディングの3つのブランド戦略:2、ソリューションブランディング

ソリューションブランディングとは、顧客の課題解決のためのソリューションをブランドに高めたものです。課題解決そのものをブランドにするという視点を持つことで、従来のコーポレートブランディングとは異なったブランディングの手法を可能にします。多くの会社がブランドというものに対して漠然としたイメージしか持ち合わせていないため、BtoB企業のソリューションがブランドになると考えている方は少ないように感じます。BtoB企業にこそソリューションをブランド化する方法を見出していただきたいと考えています。

BtoBブランディングにおけるソリューションブランディング事例:オムニモスーク

当社においては、「戦わないブランディング」というスローガンを掲げています。企業としてレッドオーシャンで勝負をするのか、自らの市場を作り出し優位性をもってビジネスを展開するのか、あなたはどちらを選びますか?当社におけるソリューションブランディングの一例として、ブランド戦略実践会が挙げられます。ブランド戦略実践会では、毎月ブランドの責任者が一同に会し、ブランド戦略を構築するための手順をインプットしてもらっています。

ソリューションとは、企業にとってお客様のお困りごとの解決にほかなりません。顧客の課題が設定され、あなたの独自性が提供できれば、そのリューションブランドを更に高めていくことがとても大切です。ブランド戦略実践会では、当社がソリューション提供する中で企業毎のアライアンスを促進し、会でのインプットだけでは解決し得ないさらなる課題の解決を進めています。また当社においては、会員企業の経営状況がますます理解できるため、顕在化していない課題の見える化を行うことで、会員企業の事業の発展に寄与しています。これは、前置きとして当社が儲かるという次元の話ではなく、さまざまな課題を見つけ、ソリューションを提供してくれるパートナーとなれば、長期的なご縁が深まっていくのです。

ソリューションブランディングとは、まさに課題の解決に強いBtoB企業だからこそのビジネス展開なのではないでしょうか。言われたことだけ取り組むBtoB企業ではなく、提案型のBtoB企業に許されたブランディング手法と言えます。

BtoBブランディングの3つのブランド戦略:3、技術ブランディング

技術ブランディングとは、一体どのようなものでしょうか。あなたは価値が3種類に分けることができるということはご存知ですか?機能的価値、情緒的価値、自己表現的価値といわれるものです。機能的価値というものを追求し尽くした結果、それは高い技術に裏付けされたことによって成し得るブランディング手法になります。日本は全国に多くの中小企業が存在します。そのような中小企業、特に技術を売りとしている企業にこそ、ぜひ可能性を感じていただきたいと思います。

BtoBブランディングにおける技術ブランディング事例:ユニクロほか

みなさんもうおなじみのヒートテックですが、この技術は東レとユニクロのコラボレーションによって開発されました。私自身この商品の大ファンで、ニューヨークに住んでいた頃は、マイナス20度の雪の中でもヒートテックは威力を発揮してくれていました。技術ブランディングとは、私の解釈で言えば、徹底的に機能的な価値を追求した結果至ることのできる境地だと思っています。

見た目はただのスパッツと変わり有りません。しかし、ヒートテックは発汗により生地が暖かく感じられるという画期的な商品になりました。同様の機能的価値の向上により、技術ブランディングとなった事例は他にもあって、ゴアテックスやプラズマクラスター、インテル入ってるでおなじみのインテルプロセッサーなどが挙げられます。中小企業の突き抜けた技術がアップル製品の部品になっていたりすることも耳にすることがあります。また一方で技術がいくら高くても日の目を浴びない技術ブランドも多いことでしょう。そのような方にとっても諦めずにブランディングに取り組んでいただきたいと願っています。

BtoBブランディングまとめ

いかがだったでしょうか?BtoBブランディングが実はあなたのビジネスの後押しになるかもしれないと感じていただけたのではないでしょうか。当社オムニモスーク自身がBtoBブランディングに取り組んでおり、ターゲットとする企業に対して日夜ブランディングに勤しんでいます。その結果、会社の業績は安定して成長しています。そして、何よりお客様が他のお客様を紹介して頂く機会が非常に増えました。

意識していることは、当社自身が戦わないブランディングを行っており、競合他社も仲間になってお互いに事業を成長させているのです。しかし、この自社の方向性を定めるまでには、実は2年ほどかかっている気がします。きちんとした市場調査、競合他社調査、人材育成など様々な準備が有りました。一つ言えることは、BtoBブランディング前提で全ての意思決定を行ってきたことが大事だったこと、そして、顧客目線で何が必要とされるかを常に考え続けソリューションを提供してきたこと、その結果、顧客が顧客を紹介してくれ、強い経営基盤を手に入れようとしている実感があります。

どうぞBtoBビジネスだからといって、ブランディングが関係ないと思わないでいただければと思います。何かあればお力になれると思います。ビジネスモデルの基盤を作ることからBtoBブランディングは始まっています。